産後の腰痛って何で起きるの?
当院のお客様からよく頂く質問です。
それだけ出産後に腰痛になる方がとても多いという事ですが、
整体師に聞いてみると大体こんな答えが返ってきます。
「骨盤が歪んでるからですね」
「骨盤矯正をしたら良いですよ」
うん、何だか分かったような分からないような…。
骨盤矯正って実際何をするんだろう?と思いません?
私は色んなことを具体的に知りたいと思うタチなので(笑)、
もう少し詳しく説明したいと思います。
出産が体に与えるダメージは大きく、
いわゆるケガをしたのと同じです。
ケガをすると体の防御反応が働き、
傷ついた組織を修復するために炎症を起こします。
この時、炎症をおこした筋肉は必ず筋力低下がおきます。
出産の場合、どの筋肉が筋力低下をおこすかと言うと、
腹横筋(ふくおうきん)という筋肉です。
この筋肉は腹筋の一番深い所にある筋肉で、
いわゆるインナーマッスルです。
腰痛で病院に行くと、
「腹筋や背筋を鍛えなさい」
と言われることがありますが、
そもそも腹横筋が弱くなっていると、その上にある腹直筋や腹斜筋は力が入りづらい状態になります。
柔らかいクッションの上では踏ん張りづらいようなイメージです。
その状態で腹筋を鍛えても中々筋力が上がらないのです。
であれば、腹横筋を鍛えてからアウターの筋トレをした方が腹筋は効率よく鍛えられます。
出産を機に腰痛になる方は、この腹横筋の筋力が低下し、体幹が安定しないために、色んな筋肉を使って体を支えようとします。
本来であれば腹横筋が体幹を支えるのですが、力が入らないとなると、
何とか姿勢を安定させるために腰の筋肉を過剰に使う事になり、腰痛が起きてしまうというわけですね。
産後の腰痛を改善させるためには、この腹横筋の筋力アップが必須というわけです。
そして腹横筋の筋力低下による影響は腰痛だけではありません。
ウエストを締める筋肉でもあるため、筋力が落ちると内臓がさがりやすくなり、ぽっこりお腹の原因にもなります。
腰痛がなくても、産後に体型が戻らないと悩まれる方も多くいらっしゃいます。
原因の一つは、この腹横筋の筋力低下によるものです。
腹横筋が弱くなると骨盤が後ろに倒れてお尻が垂れてきます。
骨盤が後ろに倒れると膝が曲がってきて、倒れないようにバランスを取ろうと首が前に出てくるので、姿勢も悪くなります。
さらには、「尿もれ」の原因も腹横筋の筋力低下です。
腹横筋が弱くなると、骨盤底筋に力が入りにくくなります。
骨盤底筋のエクササイズはYoutubeなどでたくさん出ていますが、まずは腹横筋を鍛えてからの方が、効果は高くなります。
尿もれに悩まれている方は
・腹横筋
・骨盤底筋
の順番で鍛えると効率よく筋力アップできるので、尿もれの症状が改善していきます。
そして、産後に体のむくみや冷えに悩まれているという方は、もしかすると腹横筋のせいかもしれません。
筋力が落ちると、落ちた分の筋力を補うために
他の筋肉が過剰に働き始めます。
先にも述べましたが、腹横筋は体幹を支える筋肉の一つです。
この筋肉が弱くなると、他の体幹を支える筋肉が過剰に働き始めます。
腹横筋の影響をもろに受ける筋肉を、腸腰筋(ちょうようきん)と言います。
腸腰筋のそばは、リンパ菅や血管の通り道になっています。腸腰筋が硬くなると、これらが圧迫され循環が悪くなります。
そのせいで、むくみや冷えを起こしているケースもあるんですね。
こういった筋肉バランスの乱れにより、骨盤が歪んで様々な症状が出てくるというわけです。
「骨盤矯正が良い」という説明だけだと、何となくぼんやりしていたものが、ここまでわかれば大分スッキリできるんじゃないかなと思います。
当院では、骨盤矯正という言い方はあまりしませんが、どんなことをするの?と聞かれれば、こういった事を説明して、骨盤周りの筋力アップをしていきます、と説明します。
かなりマニアックな話になりましたが、ブログでは今後も
なるべく詳しく体の説明をしていきたいと思います。
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